ホテルで内省する。そんな福利厚生をつくりました

こんにちは!アノマリーマーケティング株式会社の副島です。
先日、平日の夜に一人で会社の近くのホテルに泊まってきました。
目的は”内省”です。
弊社には『ホテル内省制度』という福利厚生があります。年に1度、会社がホテル代を負担してくれて、一人でじっくり考える時間を取ることができる制度です。
今回はこの制度について、なぜこんな制度を作ったのか、実際に使ってみてどうだったのかを紹介します。
ホテル内省制度って何?

ホテルに「ノートとペン」だけを持っていき、一人で内省するための制度です。
年に1回、会社がホテル代を負担してくれて、いつもより早く退勤してホテルに向かいます。そこで自分の仕事やプライベートについて振り返る時間を取ります。
入社半年後から利用することができて、ホテル代の予算は1.5万円です。
利用の流れはこんな感じです。2週間前までに会社に申請して、承認されたらホテルを予約します。
推奨ホテルのリストがありますが、自分で好きなホテルを選んでもOK。朝食をつけてもいいし、1.5万円の範囲内であればプランは自由です。
弊社は名古屋にあるため、周辺にあるこの辺りのホテルを推奨しています。
・三井ガーデンホテル名古屋プレミア
・西鉄ホテルクルーム名古屋
・ドーミーインPREMIUM名古屋栄
・名古屋東急ホテル
他のホテルでもよいのですが、最も重要なのは「机と椅子があるかどうか」。
内省するには、ノートを広げて考える場所が必要だからです。
この制度を発表したとき、社内のメンバーからは「なんか面白そう!」という反応がありました。
しかし、なぜこんな制度を作ったのかが想像できなかったため、代表の小田に聞いてみました。
なぜホテル内省制度を作ったの?

ここからは副島が小田にインタビューした内容です。
ーーー小田さん自身が内省を始めたきっかけはあるんですか?
自分が20代中盤の頃、将来について漠然とした不安があったものの、時間を取ってそれについて考えるといった機会はなかったんですよね。そんなときに、とある先輩から『定期的に内省する時間を作った方がいいよ』って言われました。
その先輩は半年に1回、大きなスケッチブックとペンだけを持って、ホテルに籠っていると教えてもらいました。
スマホもPCも持たず、ひたすら紙にバーッと書くんですって。
めちゃくちゃ忙しい人なんですけど、考える時間は重要ということでわざわざ時間を作って自分と向き合っていると聞いたときに「自分もやってみよう!」と思って、実際にやってみたんですよね。
そうしたら、思考が整理されてめちゃくちゃ良かったので、それ以降最低でも年に1回ホテルにこもって内省しています。
ーーー内省で何を考えるんですか?
内省で考えるのは大きく二つ。プライベートのことと、仕事のこと。
これらは繋がっているので、両方を同時に考えています。
その先輩に言われたのは、「自分が将来どうなりたいか、どうなっていたら幸せかを考えた方がいい。全てはそこからの逆算だ。」ということです。
ですので、そういった部分をホテルに籠って考えました。
でも、なかなかすぐに明確な答えが出たり、「これだ!」と決まるものでもないので、ホテルでの内省以外でも何年というスパンで考え続けましたね…。
30年後どうなっていたいか、どう死にたいかなど、いろんなスパンで考えました。10年後、5年後、自分にとってどういった状態であることが幸せか、といったことがハッキリと描ければ、仕事もプライベートもそから逆算してやることを決めるだけなので、結構生きやすくなります。
それまでは将来を考えたときに、仕事の不安とか、人生の不安とか、漠然とした不安で悩んでいました。
でも、結局不安ってよくわからないからこそ生まれるものだと思うので、決めちゃえばそういったことで悩むことはなくなりましたね。
もちろん、こういう風になりたいなって思っていても、それは変化していくものだと思うし、変化していいと思います。ですので、大事なのは考え続けることだと思いますね。だからこそ振り返る機会を定期的に設けているって感じです。
ーーー内省して何か変わりましたか?
焦りがなくなりましたね。
昔は、何者かにならなきゃいけないってずっと思っていました。なので、何かを成し遂げるとか、何者かにならないと、みたいな焦りがあったんですよね。この感覚ってみなさんもっているんですかね?
でも、内省して考える時間を作ったことで、別に自分がそんな何者かにならなくてもいいなと思うようになりました。
特別なことは必要なくて、「関わってくれる周りの人を少しでも幸せにできればそれでいいじゃん」って思ったんですよね。
そうしたらめちゃくちゃ生きやすくなりました。
何者かになんてならなくていいし、そもそも多くの人は何か大きなことを成し遂げるとかないと思うんですよね。
もともと僕自身は自分が関わることでその人が幸せそうにしていることが幸せと感じるタイプなので、となれば近くの人を幸せにできれば幸せだし、それを実現できるように生きていけばいいんだって思って自分のなかで腹落ちしたんですよ。
そうやって思えるようになるまで内省し始めてから数年かかっているんですけどね笑
ーーーなぜ制度化しようと思ったのですか?
自分でやってみて良かったというのがシンプルな理由です!
内省する時間を作ることで、メンバーにもいい影響があると思ったんですよね。
色んな人を見てて思うのは、「3年後の自分のキャリアがこうなりたいです」とか「広告運用をある程度できるようになったあとに、もう少し広い領域のマーケティングの支援をしたいです」といった、どうなりたいかが明確な人の方が成長早いし、ブレないんですよね。
自分がどこに向かっていて、何をやればいいかがわかりやすいので。あと周りもサポートしやすいです。
反対にそれがないと、目的地のない地図を歩いてるような状態になっちゃうし、そういった人って結構多い気がするんですよね。
そういった部分を内省して明確にできて、よくわからない不安に苛まれる人を減らして、仕事に集中できる状態を作ってあげることが会社としてやってあげられることかなと思ったので福利厚生として設けました!
あとは僕としては仕事で関わる以上は本人が成長している姿を見れることは嬉しいですし、当たり前ですが結果的にそれがクライアントの成果や会社の利益にもつながります。
誰も損してないじゃないですか。
極端に言えば人の人生が変わるかもしれない時間にかける費用としては、むしろ安いくらいですよね!
ーーー福利厚生を作る上で大事にしたものはありますか?
意味のあるもの、かつキャッチーにしたかったんですよね。
自分自身が人と同じがあんまり好きじゃないというかちょっとひねくれているので、ありきたりな福利厚生は必要なくない?って想いがあって笑
なので、他では見かけないんだけど、ちゃんと意味があるっていう。
そういった制度をいろいろと考えてたときに、実際自分がやってることでもあり、他で見たことないっていうことで『ホテル内省制度』を設けました。
先ほども言いましたが、みんなのためになることであり、それが結果的にクライアントや会社、そしてその延長線上にある社会のためにもなるっていう制度だと思います。
ですので、皆にどんどん活用してもらいたいですね!
最近嬉しかったのは、この制度の説明を入社してきてくれたメンバーにしたところ「自腹で行ってきます!」と言ってくれたことですね。
「入社半年後なんて待ってられないぞ」って思ってくれたのかなと思うと、意図が伝わってよかったなって嬉しくなります。
ーーーとても解像度があがりました。ありがとうございます!
実際にホテル内省制度を利用してみた感想

早速、私も使ってみました。
選んだのは西鉄ホテルクルーム名古屋。理由は露天風呂があったからです。笑
16:30に退勤して、ホテルに到着したのが17:00頃。最初にお風呂に入ってリラックスしてから、ノートとペンを持って机に向かいました。
合計5時間くらい机に向き合いましたが、正直、難しかったです。
一番難しかったのは、何を問えばいいか分からないということでした。「自分を見つめ直す」と言っても、具体的にどんな質問を自分に投げかければいいのか。最初の30分くらいは、ノートを前にして固まっていました。
そんなこともあろうかと、レイ・ダリオの『PRINCIPLES』とターシャ・ユーリックの『insight』を持っていきました。本に書かれている問いや原則を参考にしながら、自分の行動を振り返っていくと、少しずつ見えてくるものがありました。
「自分はこういうことが好きだな」とか、「他の人に比べて、こういうことが得意なのかもしれない」とか。普段無意識にやっている意思決定が、言語化できた気がしました。
スマホは意識的に遠ざけて、ノートに書いたり、お風呂に入ったり、ベッドに寝転んでぼんやり考えたり。ホテルという環境が、すごく良かったです。
さいごに
実際にやってみて思ったのは、すぐに答えが見つかるものではないけど、考えるきっかけになるということ。
翌日、出社してから劇的に何かが変わったわけではありません。でも、「思考をもっと行動に落とし込まないとな」という気持ちになりました。
年に1回、長期的な目線で内省しつつ、日頃からその長期的な目標を叶えるために行動できているのか振り返る。それが大事だと感じました。
福利厚生として制度化されているからこそ、「やってみよう」と思えたし、実際に時間を取ることができました。
会社としての制度ですが、個人でもやってみる価値はあると思います。平日なら1.5万円あれば、そこそこいいホテルに泊まれます。ノートとペンを持って、一人で考える時間を作る。
何か変わるきっかけになるかもしれません。
