リスティング広告改善の教科書 | 改善方法とチェックリスト
ビジネスの集客をしたいと思ったときにまず第一に選択肢として挙がってくるのが「リスティング広告(検索連動型広告)」です。
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンの検索結果に表示され、見込み顧客を集めるにはオーソドックスかつ非常に有効的な施策です。
そんなリスティング広告ですが、より成果を出すためにも運用しながら改善を繰り返していく必要があります。
本記事ではリスティング広告の改善の取り組み方や具体的なチェックリストを紹介しておりますので、ぜひご自身のアカウントと照らし合わせながらご覧ください。
リスティング広告の改善をする際に重要なポイント
具体的な改善策の前に、リスティング広告を改善する際に意識しておきたい重要なポイントを解説します。
- インパクトの大きいところから行う
- 要素を分解して考える
- 商材がリスティング広告に向いているかを判断する
インパクトの大きいところから行う
リスティング広告の改善は、闇雲に行うべきではありません。
特に予算の大きいアカウントなどは、構造が複雑になっていたり、キャンペーン数、グループ数が多くなっていることがあります。
そんなときに手当たり次第に改善をしていると、そもそも作業効率が悪く、改善の効果も薄くなってしまいます。
リスティング広告の改善では、基本的には費用が大きいor全体のコンバージョンへの影響が大きいところから取り組むことをおすすめします。
リスティング広告の改善では、改善自体をすることではなく売上や利益を上げることが目的のはずですので、効率よく行うことを意識しましょう。
要素を分解して考える
リスティング広告の改善施策を考えるときには要素を分解して、どこがボトルネックになっているのかを考える必要があります。
例えばコンバージョン数を要素分解すると下記のようになります。
コンバージョン数が少ないときはコンバージョン数を上げる施策を考えるのではなく、「インプレッション数」「CTR」「CVR」を上げられるような施策をそれぞれ考えるイメージです。
【インプレッション数が少ない場合】
- 入札単価を調整する
- キーワードを追加する
- キーワードのマッチタイプを広げる
- 予算を上げる(予算上限に達している場合)
【CTR(クリック率)が悪い場合】
- 広告文を改善する
- キーワードの入札単価を上げる
- 入札戦略を変更する
【CVR(獲得率)が悪い場合】
- LPを改善する
- 広告文とLPのズレを直す
- 獲得できていないキーワードを停止
- 獲得できていないクエリを除外
これらは一例ですが、それぞれの要素にあった施策を考えることが重要です。
このように、要素を分解してボトルネックを見つけ施策を考えることで、無駄な施策に取り組むことがなくなります。
そうすると改善の効率を上げることができるようになるため、一度整理してみてください。
そもそもリスティングが向いているかどうかも判断が必要
リスティング広告はコンバージョンの獲得に向いている媒体ですが、どうしても成果が出にくい商材もあります。
そんなときは無理にリスティング広告にこだわらず、他に施策に取り組むことで集客の効率を上げることができるかもしれません。
- ニーズが顕在化している
-
商品・サービスに関して何か行動を起こそうとしている明確な検索語句があると、リスティング広告に取り組みやすいです。ただし、その場合は競合が多いケースもあります。
- 単価が高い
-
ネガティブな検索ワードでリスティング広告を出せる商材(育毛剤・カードローン)などは単価も高くリスティング広告で成果が出やすいです。
- 市場がまだない
-
商品・サービスとして一般的ではなかったり、明確な検索語句がないものはこれから市場を作っていく必要があるため、リスティング広告を行うフェーズではありません。
- 単価が低い
-
例えば日用品・小物雑貨など、比較的リスティング広告でのクリック単価も安くなりやすいジャンルではありますが、費用対効果が合わないことが多いです。
リスティング広告で成果が出ないときの改善チェックリスト
下記の4つの分野に分けて、リスティング広告の具体的な改善チェックリストを整理しました。
- 全体設計
- 広告設定
- クリエイティブ(広告文)
- サイト・LP(ランディングページ)
どの項目もとても重要で、当たり前にできていないと成果が出ない内容です。
ぜひご自身のアカウントと照らし合わせながらご確認ください。
①全体設計
広告文・キーワード・アカウントの細かい設定ではなく、それ以前の計測や事前分析の部分をチェックします。
全体設計はリスティング広告全体の礎であり、この部分が甘いと特に成果が繋がりづらいため、改めて整理しましょう。
計測は正しくできているか?
ウェブ広告の実施にあたって、正しく計測して効果を検証する必要があります。
正しく計測したデータをもとに施策を考え・実行することで、改善の質が高まります。
また、媒体データだけでは実際のデータと乖離があったり、取れるデータも限られたりするので、GA4を用いて次のような指標を計測しましょう。
- 直帰率
- スクロール率
- イベント
- コンバージョン
マーケティング分析は行ったか?
リスティング広告で成果を出すには、全体の設計や訴求を考える上で様々な分析を行う必要があります。
リスティング広告を含むマーケティング施策において、顧客と商材の理解は当たり前に行いたい内容。
顧客と商材についてしっかりと理解しないまま広告配信を行っても効果は最大化できませんし、反対にここの分析がきちんと行えていれば、その後のキャンペーン設定、広告文・クリエイティブ作成で裏付けのある施策を実行することができます。
- 3C分析
- 自社
- 競合
- 顧客
- 競合LP分析
②広告設定
広告管理画面上で、基本的な項目が正しく設定されているかチェックします。
リスティング広告をはじめとするウェブ広告は、設定項目が多くヌケモレが発生しがちです。
ひとつずつ見直して、適切な設定がされているかを確認してください。
コンバージョンの測定は正しいか?
- 媒体のコンバージョン設定やGTM設定を確認して、計測が正しいかを確認
- コンバージョンが正しく計測できていないと正しい効果検証ができなかったり、媒体の学習が進まないので要チェック
キャンペーン構成は適切か?
- 無駄にキャンペーン・広告グループを量産していないか
- ある程度予算やキーワードが多い場合は、キーワードの属性ごと(例えば、顕在層向けと潜在層向け)にグループを作成して、広告文を分けて訴求するのは効果的
キーワード設定は適切か?
- コンバージョンから遠いキーワードが設定されていないか
- キーワードごとに入札単価を調整する(手動入札の場合)
- 検索意図が違う検索クエリであると判断できるなら停止・除外
- 「キーワードの基本的な考え方」を確認する
- マッチタイプは適切か
- 商材やキーワードにもよるが、使用シグナルが多い「部分一致」を使った方が成果がよくなることもある
- 「カスタムテスト」でテストが可能
- 入札単価は正しく調整されているか
- クリック単価が高すぎる・低すぎる(入札戦略も併せて見直す)
- コンバージョンが少ない場合インプレッションが出ていないことがあるため、インプレッションシェアを確認して上位に表示されていなければ入札単価を上げる
- 「入札単価の基本的な考え方」を確認する
クエリの除外はされているか?
- サービスに関係のないクエリ、コンバージョンから遠いクエリを定期的に除外しているか
ターゲットの設定は適切か?
- ターゲットではないデモグラフィック(年齢・性別・地域)の配信を停止しているか
- デモグラフィック(年齢・性別・地域)ごとの入札調整はされているか
オーディエンスの設定が適切にされているか?
- モニタリングで設定する
- ターゲティングはされず、オーディエンスごとのレポートを確認できたり、入札単価の調整に使用することができる
- リターゲティングリスト
- 興味関心
- ターゲティングはされず、オーディエンスごとのレポートを確認できたり、入札単価の調整に使用することができる
- 除外する
- コンバージョンしたユーザーリスト
配信地域に問題はないか?
- 配信すべき地域に設定されているか
- 対象地域に関心を示したユーザーに配信して、意図せずに配信が広がっていないか
アセット(広告表示オプション)は設定されているか?
- パフォーマンスと広告の評価が向上するので必ず設定
- サイトリンク
- コールアウト
- 電話番号表示
- 構造化スニペット
- 住所表示
- 画像表示
③クリエイティブ(広告文)
広告文はユーザーが最初に目にする部分です。
訴求の見直しや、広告文のチェックを行うことでCTRの改善を狙うことが可能です。
訴求は適切か?
- 「全体設計」でおこなったマーケティング分析の内容を反映して訴求が作られているか?
- ベネフィットは入っているか
- USP(自社の強み)は入っているか
- オファーは入っているか
- ターゲットが検索する場面を想像できているか
広告文は適切か?
- 見出しはすべて入っているか
- 説明文はすべて入っているか
- 同じような訴求の見出しはないか
- 設定しているキーワードが広告文に入っているか
- 広告の有用性が低くなっていないか
④サイト・LP(ランディングページ)
ユーザーが広告のクリック後に訪れるページで、購買意欲の醸成や行動喚起に用いられます。
LPの内容がCVRに大きく影響するため、広告の改善と合わせてじっくりと行うべきです。
LPO(ランディングページ最適化)は行われているか?
一概に数値で言えませんが、フォーム到達(遷移)率が低い場合は改善を行うべきです。
下記のチェックリストにて改善点がないかご確認ください。
- 表示速度は問題ないか
- ファーストビューは適切か
- コピーがターゲットに伝わる内容になっているか
- 権威性・オファー等が一目で分かるか
- CTAは適切か
- 場所・訴求内容・ボタンの色や形は適切か
- その他CVRを上げる施策はないか
- ポップアップ
- アンケート
- マイクロコピー
- 不足しているコンテンツはないか
- お客様の声
- 事例・実績
- 選ばれる理由
- 競合比較
EFO(フォーム最適化)はされているか?
フォームは、到達(遷移)からの送信完了率を1%でも上げるために積極的に改善したい項目です。
下記のチェックリストにて改善点がないかご確認ください。
- 入力項目は可能な限り少なくする
- オファー(特典等)がある場合はあわせて記載する
- 他のページへの導線は目立たせないようにする
- 入力例を表示する(プレイスホルダー)
- シンプル or 情報を盛り込むパターンでテストを行う
リスティング広告以外の部分の改善が必要な場合も多い
例えばリード獲得系のサービスでリスティング広告を出す場合、広告配信から実際の売上に繋がるまで下記のようなフローになります。
リスティング広告が担当するのはコンバージョン、つまりリード獲得までで、そのあとの商談は営業の役割です。
つまり、
- リスティング広告の費用対効果が悪い
- リスティング広告で売上に繋がっていない
といった場合でも、蓋を開けてみれば「営業の成約率が低く、成果に繋がっていない」といったケースが少なくありません。
その外にも、「リード獲得に問題はないが、営業のキャパが間に合っておらず対応に問題があった」といったケースも実際にありました。
リスティング広告でどれだけリードを獲得していても、その先の部分に課題があれば集客は上手くいきません。
とはいえこの場合、獲得するリードの質が悪く成約率に影響が出ている可能性もあるため、リスティング広告自体の配信に課題を抱えているケースもあります。
ですので、広告媒体やGA4だけで見れるデータだけではなく、実際の現場の数字も全て合わせ集客全体で最適化を図っていく意識を持つことが重要です。
リスティング広告改善の教科書 | まとめ
リスティング広告は、Web広告の中でもユーザーが能動的に検索して行動しているため、成果が出やすいメニューです。
正しく改善を行って成果を高めるために、ぜひ本記事を参考にしてください。
とはいえ、Web広告はリスティング広告ひとつを取っても専門な内容が多く、移ろいも早いため自社で取り組んでいてもなかなか成果につながらないケースが多いです。
そのような企業様に向けて無料で現状の広告配信の診断も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
【無料お役立ち資料】
リスティング広告で成果が出ないときの改善チェックリスト
- 成果を出すための46のチェックリスト
- 具体的な内容ですぐに改善に繋げられる
リスティング広告を始めようとしている企業様・リスティング広告運用担当者の方には必見の内容です!