リスティング広告の入札単価 | 決め方と調整方法

そんなリスティング広告の成果の鍵を握るのがキーワードの入札単価。

リスティング広告ならではの要素ですので、リスティング広告の運用では必須の知識になります。

最近は入札単価を考えずにすべて自動化することもできますが、運用初期のフェーズなどは手動入力のほうがうまくワークすることもあり、弊社では手動入力を使用することも多いです。

本記事ではそんなリスティング広告の入札単価ついて解説します。

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目次

入札単価とは

結論、入札単価は「ウェブ広告のオークションにおいて、1回のクリックに対して支払える上限額」という意味です。

一部のウェブ広告は、オークション制になっています。

みなさんのイメージしているオークション通り、ウェブ広告でも高い金額を提示した方が勝ち、優先的に掲載されるという仕組みです。

実際のオークションと同じように、高すぎても無駄なコストになってしまい、低すぎても広告が表示されず、機会損失になってしまいます。

リスティング広告における入札単価とは

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて表示される広告で、広告主はキーワードに対して入札します。

つまりリスティング広告における入札単価は、「どのようなキーワードをいくらで入札するのか」ということです。

例えば、名古屋でパーソナルジムを探しているユーザーが「名古屋 パーソナルジム」と検索すると、そのキーワードが登録された広告が表示されます。

そのいくつかの広告の中で、オークションが行われ、検索画面に表示される順番の競争が始まります。

入札単価が高ければ上に表示されるのかというとそうでもなく、下の図のように「広告の品質」なども関わってきます。

そして表示された広告がクリックされたタイミングで、広告主にいくらかの料金が発生します。

その料金の決まり方が、「掲載順位が1つ下の広告の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」になります。

少しわかりにくいので、上の図でA社の広告がクリックされたときを考えます。

A社はC社の一つ上に掲載されています。

C社の広告ランクが350、A社の広告の品質が5なので、A社は350 / 5 = 70円をギリギリ上回れる+1円の71円の入札単価があればC社の広告ランクを上回れることになります。ということで、A社のクリック単価は71円になります。

この入札単価を、キーワードごとに設定することが、リスティング広告における入札単価の設定になります。

リスティング広告の入札単価の決め方

リスティング広告の入札単価を決めるには、下記のプロセスが必要です。

広告のターゲットを明確にする

出稿している広告をどのターゲットに配信したいかによって、設定するキーワード・マッチタイプ・入札単価も変わってきます。

リスティング広告の入札単価はキーワードごとに設定し、キーワードの設定も大きく関わりますので、キーワードについてまだ良く分かっていないという方はこちらの記事をご覧ください。

検索ユーザーの熱量やニーズに合わせて上記を正しく設定していくことが、リスティング広告運用で成果を出す上で重要です。

例:「アノマリージム」というパーソナルトレーニングジムで「パーソナルトレーニング」を契約したいユーザーに対して検索広告を配信しているとき

※メインのエリアは「名古屋市」と仮定

関心度キーワードマッチタイプ入札単価
明確アノマリージムフレーズ一致500
顕在層パーソナルトレーニングフレーズ一致200
顕在層パーソナルトレーニング 名古屋市フレーズ一致350
準顕在層ジム 名古屋市フレーズ一致100
潜在層痩せたいフレーズ一致30
  • 大前提としてパーソナルジム関連のキーワードのクリック単価をキーワードプランナーを使用して事前に調べておきましょう
  • 「アノマリージム」と検索している人は「アノマリージム」そのものに興味があるので熱量が一番高い⇒指名のキーワードを設定します
  • 「パーソナルトレーニング」「パーソナルトレーニング 名古屋市」などで検索している人は「パーソナルトレーニングに通いたい」と思っている層なので熱量は高め。
    特に商圏である名古屋市で検索上位に表示したいため、「パーソナルトレーニング 名古屋市」など「対象のサービス名」と「地名」を含むキーワードでキーワードを登録します。(実際はもっと細かい粒度の地域を登録します)
  • 「ジム 名古屋市」などで検索している人は「ジムには興味があるが、パーソナルにするか普通のフィットネスジムのどれにするか悩んでいるor気にしていない層」です。「パーソナル」を含むキーワードよりも熱量は低めのため、入札単価も低く設定します。
  • 「痩せたい」などで検索している人は、「ダイエットをしたいがどんな方法ですればいいのか分からない。ジムに通うことは頭の中にはあるが迷っている層」です。
    訴求次第ではパーソナルジムに入会する可能性もありますが、難易度は高いため入札単価はかなり低く設定します。

マッチタイプごとに入札単価を調節する

事例:名古屋で女性向けパーソナルジムを経営している企業における、キーワード、マッチタイプ、入札単価 設定のダメな例と良い例

クエリマッチタイプ入札単価(ダメな例)入札単価(理想)
パーソナルジム部分一致20060
パーソナルジムフレーズ一致150200
パーソナルジム完全一致100300
パーソナルジム 名古屋フレーズ一致100400
パーソナルジム 名古屋完全一致80400

入札単価の設定方法の簡単なルール

単ワードのキーワードは入札単価を抑える

「パーソナルジム」などの単ワードは検索行動が具体的ではなく、特に部分一致では拾ってくるクエリが広いため、入札単価を抑える必要があります。

複合キーワード(2語以上掛け合わせのもの)は単一キーワードよりも入札単価を上げる

キーワードは多くなればなるほど検索行動が具体的になりCVRが高くなりやすいので、基本的には語数が多いキーワードは入札単価を上げて設定します。

マッチタイプ関係により入札単価を調整する

基本的に、同じキーワードなら完全一致≧フレーズ一致>部分一致の順で入札単価を設定します。

なぜかというと、その順番で検索意図が広がってしまうからです。

パーソナルジムの例でいうと、完全一致では「パーソナルジム」という検索でしか表示されなかった広告が、部分一致だと「ジム 安い」のような格安ジムを求めている可能性のある検索でも表示されてしまうことがあります。

検索意図の広がりはCVRの低下に繋がりますので、広いマッチタイプは入札単価を抑える必要があります。

また、完全一致とフレーズ一致の入札単価が同じパターンもあります。

  • 完全一致「パーソナルジム 名古屋」500円
  • フレーズ一致「パーソナルジム 名古屋」500円

⇒完全一致とフレーズ一致の入札単価を同じに設定することで、完全一致「パーソナルジム 名古屋」で検索されたときと「パーソナルジム 名古屋 安い」など近いキーワードで検索されたとき両方の入札を強化することができます。

フレーズ一致のみを500円の入札単価で設定している場合、完全一致で配信している競合に掲載順位が負けてしまう可能性があるからです。

これ以上検索意図が広がりにくい複合キーワードの場合は、完全一致とフレーズ一致を同じ入札にするのもありといったイメージですね。

自動と手動を使い分ける

ここまでの説明で、キーワードや入札単価の調整がかなり手間がかかることがご理解いただけたかと思います。

実は、入札には自動入札というキーワードごとの入札単価の設定が必要ない設定も可能です。

入札選択が自動or手動で、広告キーワード調整の手間や広告の出方が大きく変わってきます。

手動入札

各キーワードに対して個別に入札単価を設定する方法です。

運用開始時にキーワードごとに個別で入札単価を設定しますので、最初からある程度のパフォーマンスが見込めます。

その後も運用状況を見ながら細かく入札単価を調節することが可能ですので、運用者としては数字をコントロールしやすくなるのが特長です。

ただし、予算が多い等でキーワードが増えすぎると管理しきれないこともありますので、そういった際は自動入札を検討することをおすすめします。

自動入札

自動入札は、広告の目的や入札戦略に応じて自動的に最適な入札をキーワード単位で行う設定です。

管理としては楽ですが、運用開始時やコンバージョンの数が少なかったりするとうまく学習が進まずパフォーマンスが落ちる可能性があります。

逆にすでにコンバージョンが多く、ある程度の予算がある場合は、手動で管理しきれないことがありますので、自動入札に切り替えたほうがパフォーマンスが良くなることがあります。

「自動入札」や「部分一致」等の設定によっては、クリック単価が跳ね上がったり、CPAが悪化するなどがあるため、自動入札の設定をしているときは特に注意して日次チェックをすることが大切です。

リスティング広告における入札単価の調整

リスティング広告では、運用開始時に入札単価を設定した後、運用をしながらも入札単価を調整する必要があります。

獲得単価が良いキーワードで表示されている広告のインプレッションシェアなどを見て、インプレッションシェアが80%などのときは、さらに獲得を伸ばせる余地があると考えキーワードの入札単価をより高めに設定します。

また、そもそもインプレッションが出ていないなどのキーワードがあれば、表示されるまで上げていくなどの調整が必要です。

細かくガチャガチャ調整するというよりは、成果を高めために数字を見ながら修正を繰り返していくといった意識が大切です。

リスティング広告の入札単価 | まとめ

リスティング広告の運用では、入札単価の概念と調整方法を理解しておくことが大切です。

弊社ではリスティング広告に力を入れたい企業に向けて、「リスティング広告運用代行メニュー」をご提供しております。

入札単価について疑問がある際などに、無料で相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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